育児に寄り添う

*育児セラピスト*

 

育児セラピストってどんな資格ですか?

 

先日、赤ちゃん講座に見学&お手伝いに来られた子育て支援をされている方から

質問されました。

 

この資格は日本アタッチメント育児協会が主催する講座で資格認定を受ける事が

出来るもので、公益財団法人 日本生涯学習協議会の認定ディプロマです。

 

*「アタッチメント」をお母さんに伝える

 

 子どもが心身ともに健やかに成長するための基盤となるのは親との安定した

アタッチメントの形成です。アタッチメントは乳幼児期に母親や保育者から

無条件に受け入れられ愛される経験を通して形成される母と子の愛着関係です。

 

 アタッチメントは不安を抑制し探索行動を活性化し、子どもに安心感を与え、 自己や他者への信頼感をもたらします。このアタッチメントが子どもの対人関係

や学習機能の基盤となります。  

 

 育児セラピストは、「0歳からの子育て」と「乳児期、幼児期のアタッチメント(愛着関係)の育成」を子育て中のお母さんや、子どもにかかわる人々に伝え

親(保育者)から子ども、子どもから親(保育者)の双方向における 「アタッチメント(早期愛着関係)」の形成のサポートをしていきます。

 

 育児セラピストがどの地域にも身近にいて、時には、親を助け支援して、

時には相談相手になり、時には先生になって、「地域の子育てターミナル」

として機能し、画一化した子育て法を親に教え込むのではなく、親(保育者)

と子どもの個性や性格、気質によって、100組の100通りの子育てを応援する

ことを目指しています。

           参考・引用 http://www.naik.jp/about/ より

 

*育児セラピストの資格を取ったわけ*

 

 幼稚園教諭・保育士免許を持ち、子どもも育ててきました。リトミック研究

センターでも「母親セミナー」と言うEQ講座でお母さんとのコミュニケーションを学びました。1,2,3歳児のリトミックのレッスンはお母さんも一緒です。

いくらリトミックが音楽教育の場であっても、まだこの頃は育児の時代、必然的に

お母さん達の悩みは即、リトミックの場にも表れてきます。

 

 お母さんにとって子どもがいい子であることが何よりも願い。でもまだ未熟で

社会性も身についていない、お母さんのそばが一番安心な時期に、教室に来て

お母さんの言う通りにできるいい子でいられるわけがありません。

 

 個性豊かに思い通りに自分を素直に表現すること、それこそがこの時期の

子ども達にとって何より大切な事なのです。その中で、ひとつ一つ経験を積み

重ね、まず聴く力を育てます。人とかかわり、自分の気持ちを相手に伝わるように

表現し、相手の表現を受け入れて尊重する。そうした力を音楽を使って養っていく

リトミックは音楽教育の前にまず人間教育を大事に積み上げていくのです。

 なぜなら音楽は表現の芸術ですから、その音楽を奏でる人物の人間性が何よりも

大切だからです。そして、その入口に必要なのはお母さん。大好きなお母さんが

音楽を楽しむ姿に刺激され、お母さんに手伝ってもらいながら音楽をともに楽しむ

経験をし、今度はお母さんに身守ってもらいながら、自分ひとりの力で音楽活動

をしてみるという形で、自立を促し、3歳以降になると、音楽教育活動に移っていきます(もちろん人間教育の部分はずっと続いていきます)。

 

 リトミックは本来3歳児スタートでも十分に教育としてその威力を発揮して

いきます。けれど、3歳児前のリトミック、お母さんとともに楽しく音楽を動いた子どもたちは、3歳から始めた子どもたちよりもはるかに豊かで素晴らしい感性を

持ってリトミックにのぞむ事が出来ます。

 そんな中、はじめは2歳児、次に1歳半と、リトミック年齢のスタートが

どんどん下がっていきました。子育て支援でリトミックが取り上げられると

本来のリトミックの教育面が薄れ、音楽で楽しい時間を過ごして、お母さんの育児

を助ける時間の性格が強くなり、音楽は子どもの情操教育にもいいからと、その

要求は0歳児にまで下がってきてしまいました。

 

 赤ちゃんも音楽は大好きです。でも教室で動けない、話せない、体力がない、

集中時間が短い赤ちゃんにリトミックをすることには少々厳しい面があります。

さらに低年齢化に伴って、リトミックで母と子の楽しい音楽タイムを過ごして

ことで、子ども自身の力で学び始める、リトミックの本来のレッスンのスタート

3歳児になると、リトミックをやめてしまうようになってしまいました。

 1,2歳の幼子でも、続けて身につけているものはとても大きい。右脳の中で

育ってきたものを、明確な形で子ども自身の中に入れてやるのが、左脳が動き

始める3歳以降となってきます。1,2歳児でやめてしまうのは、子どもにとって

とてももったいない事なのです。

 

 それにはまず、きちんとリトミックの良さを伝えなければいけない。でも

その為には、子育てに悩んだり、自信をなくしたり、仲間を求めてやってくる

お母さんの不安にこたえ、安心してリトミックをできる場にしていくことがまず

先決。リトミックの専門家ではあるけれど、保育の専門家でもあるけれど

親の専門家とは言えないし、昔習ったことだけでは、本当の意味で子どもの事を

理解しているともいえない。

 

そこで赤ちゃんの事から子どもについて学びたいと考えました。それには、

リトミックと人気を分かち合うベビーマッサージから始めてみたら、何かわかる

のではないか、そう思い、講座を受けたところ、出会ったのがこの育児セラピスト

という資格でした。まだできたてのほやほやの資格だったのです。

 

*育児セラピストって誰がなるの?*

 

 子どもにかかわる人ならどなたでも。子育ては親子関係が何よりも大切。

その事を、お母さんやお父さんに伝えていくのが育児セラピストの仕事とも

言えます。その役割を担うをするのですから、子どもにかかわる人は誰でも

育児セラピストの条件を満たしていると言えます。